「放送の公共性の〈いま〉を考える全国連絡協議会」(放公協)
設立の趣旨と参加の呼びかけ 05年04月19日
日本の放送の公共性は、いま、未曾有の危機にあります。
ご承知のように、今年1月12日付の朝日新聞の報道と翌日の長井暁チーフプロデューサーの内部告発をきっかけに、4年前、NHK教育テレビで放送されたETV2001「シリーズ 戦争をどう裁くか」の番組改変で、安倍晋三氏ら複数の自民党政治家が政治的圧力をかけていたことが明らかになりました。ところがその後、NHKはこうした疑惑を一方的に否定し、逆に報道が朝日新聞の「誤報」であるかのように論点をすり替えてニュースを流し、海老沢会長辞任後も、政治家への事前説明を「通常業務の範囲内」とする見解を正式には改めないままです。
他方、この他にもプロデューサーによる番組制作費の着服など多数の問題が露わになったNHKに対し、受信料の支払い停止・拒否を宣言する動きが全国的に広がっています。
世論の批判にさらされて、4月末にはNHKの理事全員が交代する見込みです。しかし、そうした幹部の交代だけで、NHKが今後、自らに巣食う根深い問題の解決に向けて、本当に組織体制の改革に着手していくことができるのかは定かではありません。
しかも、このような放送の危機が、NHKだけの問題でないことも明らかです。放送が市場原理だけに委ねられていいわけでは全くありませんが、ライブドアとフジテレビの一連の抗争でも、フジテレビが主張する放送の「公共性」に、私たちは大きな疑問を感じます。
さらに、昨今のメディア規制法案や放送法をめぐる動き、総務省の放送局に対する行政指導や自民党が主張するところの「政治的公正」などは、これまで辛うじて守られていた言論の自由を公然となしくずしにするような流れの顕在化であります。
すなわち、NHKの問題は、単に一個の公共放送にたまたま起きた不祥事ではなく、現在の日本のメディアと言論の危機を象徴的かつ典型的に示す事件であり、日本の放送の公共性は、いま、戦後半世紀以上の歴史のなかで最大の岐路に立っているように思われます。
こうしたなか、全国各地でNHKの問題を放送の公共性の危機として受けとめ、公共放送の政治からの独立を目指し、メディアとの望ましい連帯を考える市民やジャーナリスト、メディア研究者たちの活動が広がっています。しかし、それぞれの動きが独自に展開されているため、多様な全体像が見えにくく、地域や視点の違いを越えた連携も十分ではないのが現状です。
そこで私たちは、「放送の公共性の〈いま〉を考える全国連絡協議会」(放公協)という全国的な連絡協議会組織を立ち上げ、各地、諸領域のグループ間の情報の共有化を図ることが急務であると考えました。放公協が目指すのは、幅広いレベルでの情報の共有化です。放送の公共性をめぐり、いま、どのようなグループが何を考え、どんな動きをしつつあるのか。お互いの情報をオンラインで共有することにより、全国的に連携のとれた動きも可能になると考えます。また、そうしたなかから、今日の危機を新たな可能性に向け拓いていく新しい公共的な放送メディアのあり方が、市民のレベルから構想され、提案されていくことを期待します。
以上から、ここに、この連絡協議会への参加を、関連する幅広い市民団体、NGO・NPOのグループとジャーナリスト、メディア研究者たちの諸グループ、諸団体などのみなさまに呼びかける次第です。趣旨にご賛同いただけるグループ、団体のみなさまは、下記までご連絡をくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
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